シルバーウェア
シルバーウェア
高貴な印象のシルバー製のカトラリーやキャンドルスタンド。ちょっと飾ってあるだけでその場が華やぐのがその魅力。そんなシルバーウェアについて本日は取り上げたいと思います。
シルバーと一重に言ってもいくつか種類があります。
まずは代表的なスターリングシルバー。スターリングシルバーとは銀の含有率が92.5%のもの。それ以上でもそれ以下でもスターリングシルバーと名乗ることは許されません。残りは微量の銅が配合されています。
そしてもう1つがブリタニアスタンダードシルバーこちらの銀の含有率は95.84%。スターリングシルバーよりも銀の比率が高くなっています。
ではなぜ100%ではなく銀の含有率を90%代に留めるのでしょうか。それは銀は非常に柔らかく100%では使用上不向きだからです。多少銅を混ぜたほうが硬度が高まります。
それゆえに純度が高くより柔らかいブリタニアスタンダードシルバーの方が精巧な細工が施されたシルバーウェアに比較的多く用いられる傾向があります。
またシルバープレートと呼ばれる銀メッキがほどこされた商品もあります。
今までに紹介した2点は純度が高く貴重であるがゆえに大変高額。シルバープレートの銀器は銅やニッケルの合金の表面に主に電気メッキ技術を用いて薄く銀を被せたものですので、比較的安価に生産できます。シルバーがより流通するようになったのはシルバープレートの功績もあるでしょう。
以上3種類のシルバーを紹介しましたが、それぞれホールマークにて見分けることができます。ホールマークにも複数種類はありますが、最も見分けやすいのがスタンダードマーク。純度を表すマークです。スターリングシルバーには歩くライオンのマーク(ライオンパサント)、ブリタニアスタンダードシルバーには女神ブリタニアのマークがそれぞれ刻印されています。シルバープレートにはマークはありません。
ちなみにこちらの写真の製品はスターリングシルバー。アルファベット”e”のちょうど左隣りのものが歩くライオンのマーク。スターリングの証です。
他にも産地を見分けるアセイマーク、組合の検査を受けた日付を表すデイトレター、職人を見分けるメーカーズマーク、また銀器が課税対象のなっていた時代のものには徴税の証としてデューティーマークが刻まれています。
こちらの写真では3つのマークが並んだ一番左がアセイマーク。”e”がデイトレター、一番左の細長い刻印がメーカーズマークです。
こうしたマークは銀器の時代背景を読み解く大きなヒントを与えてくれます。ホールマークは解説書が出るほど多種多様。第一ステップとしてまずスタンダードマークから見分ける練習をすると銀器を見るのが少し楽しくなるかもしれません。