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マリウス・サビノ(Marius Sabino)のご紹介

マリウス・サビノ(Marius Sabino)とは、アールデコ期に名をはせたガラス工芸家。
1878年にイタリアのシチリアで生まれた彼は、4歳の時にフランスへと移住します。パリ国立高等美術学校で学んだサビノは当時新しい産業であった照明製造に興味を持ち、特に同分野におけるガラスの積極的活用に商業的価値を見出しました。

第一次世界大戦より帰還したサビノは1919年にサビノガラスカンパニーを設立します。そしてガラス制作に取り掛かったサビノを一躍有名にしたのがオパルセントガラスです。
サビノの手がけるオパルセントガラスは他社と比べてヒ素の含有率が高く、まるで青空に揺蕩う雲のように光の当たり方によって豊かな表情を見せました。

ガラス工芸家として有名になったサビノは1927年に豪華客船イル・ド・フランスのためにランプを制作し、そして1935年にはかの有名なノルマンディーの壮大な応接間の照明設備も手がけました。

1939年に勃発した第二次世界大戦のために工場での生産は一度中断を余儀なくされます。
戦後、事業は甥で養子でもあるグリポワ・サビノへと託されました。マリウス・サビノ本人は1961年に亡くなりましたので、その後新たに鋳型が製造されることはありませんでした。
サビノカンパニーは現存する会社ではありますが、そのため古くから存在する鋳型を使ったガラス製品の製造のみを続けている形になります。

サビノのサインには2種類あります。1つが”Sabino France”、もう1つが”Sabino Paris”です。
前者は輸出を想定して、後者は国内での販売向けにと使い分けられていました。また”Sabino France”は主に小ぶりな作品に鋳型を用いて刻印され、一方”Sabino Paris”は大型の作品にエッチング手法で刻印されるという傾向もありました。

Mobilier et Decoration Mai 1927

Le Luminaire by Guillaume Janneau

サビノの照明デザインの中核には、「シャンデリアのガラスはデザインの一部ではなく、シャンデリアそのものである。」という考え方があります。ガラスはアート作品において重要な構成要素であると考える彼だからこそ、作品に巨大で大掛かりなものが多いのかもしれません。

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