小さなテーブルランプ
-アールヌーボー期-
今回はアールデコ期の作品とは全く雰囲気の異なるアールヌーボー期のテーブルランプを数点取り上げたいと思います。
アールヌーボー様式はアールデコ様式より以前に流行した様式。19世紀末から20世紀初頭、ちょうど産業革命の波が収束するころに流行しました。品質があまり高いとは言えない工業製品が大量生産された時代に反発する形で勃興しましたので、この時代の作品には曲線的で有機的モチーフが多く用いられました。
こちらはアールヌーボー期に製作されたデュゲのテーブルランプ。シェードの基調色は暖かみを感じさせるオレンジ。縁にネイビーが配色されています。夜へと移り変わる夕暮れ時を切り取ったかのような色使いです。
シェードを包み込むのは薔薇のアイアン。花や植物はアールヌーボーに最もよく見られるモチーフ。作品に優雅さと気品を添えてくれます。
次の作品はミューラーによるもの。こちらのシェードはイエロー、オレンジ、ネイビーの3色のグラデーション。イエローを基調にしているため、先ほどのテーブルランプより明るい雰囲気。シェードの真下の金具の窪んだスペースにアクセサリーを載せても良いかもしれません。
こちらのランプもまたミューラーの手による作品。シェードは上で紹介したものと対になるもの。金具はより高さがある分、曲線が強調されています。テーブルとの設置面はまるでハート形とひし形が合わさったかのようなモチーフとなっております。
アールヌーボーのランプは総じて繊細優美な作風のものが多く見受けられます。お部屋を華やかに彩る色彩豊かなアールヌーボーのランプ。店頭にて実物をぜひご覧になってください。