ミューラー兄弟「鳥文天吊灯」
ミューラー作品のご紹介
19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスのガラス工芸家として名をはせたミューラー兄弟。当店ではそんなミューラー兄弟のシャンデリアやテーブルランプを多く取り扱っていますが、1つのデザインの型として鳥を題材にした作品があります。
球状のガラスの中で大きく羽を広げた鳥が向かい合ったデザイン。背景の渦巻きは空をイメージしたものでしょうか。涼し気なフロストガラスの中互いを見つめています。
ミューラー兄弟は全部で10人兄弟。兄弟はそれぞれガレやドーム、バカラの工房で当初働いていました。兄弟の半数はガレの工房に勤めていたと言われています。ガレと言えばアールデコより前に大成したアールヌーボーの代表的な作家。
自然主義の理念を中心に据えたアールヌーボーの時代には、動植物をモチーフにした生命力溢れる華やかな作品が多く生み出されました。直線的でありながらアールヌーボー的モチーフである鳥をデザインの一部に組み入れることからは、兄弟が若き日々にガレ工房で学んだ自然に対する敬愛の精神が読んでとれますね。