コーナー家具の変遷
コーナー家具について
アンティークにはコーナーに設置する家具があります。コーナーキャビネットやコーナーシェルフ、コーナーチェアといった種類がありますが、いずれもコーナースペースを有効活用する意図で制作されました。
コーナー家具の全盛期は18~19世紀。コーナーは大抵90°の角度で設計されていましたので、その場にぴったりと収まるように家具も背面の2辺が等しい長さの三角形で制作されました。ちょうど正面が45°の角度で部屋の中心に向かい合うようになっています。正面は家具の顔ですので、彫刻やグリットで装飾がされているものも多くあります。
フランスでは、コモードと同時期にコーナーカップボードが流行しました。ペアで作られたり、またコモードと一緒にスイートとして制作されることもありました。コーナーカップボードはコーナーキャビネットの下段のみの家具としてイメージしていただければ良いと思います。
コーナーカップボードの誕生後、陶磁器やガラス工芸品を飾るためにその上段にガラス戸付きの収納が設けられてコーナーキャビネットとなりました。
さらにそののち、コーナーワットノットといった派生家具が作られるようになります。もし活用方法に悩んでいるコーナーがあれば、お部屋の1つの見せ場としてぜひコーナー家具はいかがでしょうか。