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エディショナルナンバーについて

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。
当店ではアンティーク家具や照明の他に版画や絵画も扱っております。
今日は版画のエディショナルナンバーについてご紹介したいと思います。

版画は、一度に複数の作品が刷れるため、価値を保持するために事前に製作部数が決められます。「エディションナンバー」とは、それ以上の作品を作らないという証明のための番号です。

エディショナルナンバーは、通常版画の左下の余白に分数の形で書かれます。
分母が限定部数で分子がエディションを示す数字です。

例えば、59/120という数字なら、その版画作品は120部刷ったうちの一枚であるということを表しています。
実は、私はこのブログを書くまでは、若い番号ほど最初に刷られたものと思っていました。
しかし、エディションの番号は、刷り上がりの順番とは関係なく、通し番号に過ぎないのだそうです。

版画作品の限定部数は作家の希望などで決まり、100部、200部といったものから、限定1枚という貴重なものや500部以上のものもあります。
版画の技法によっておおまかな限定部数が決まっており、例えばリトグラフでは版の特性上、ダメージで作家の求めるクオリティの版画が作れなくなるため、200部程度が上限と言われています。

限定制作である以上、一旦刷り終わった版は廃棄されます。最初に決めた限定部数以上の作品が流通しないようにすることが、作品の価値を高めていくのです。

ところで、当店にエディショナルナンバーではなく、E.A.と書かれた作品があります。
これって何なのでしょう?


E.A.は「作家保存」と言われる版画です。
E.A.ハ「Epreuve d’artiste(エプルーヴ・ダルティスト)の略、英語だとA/P「Artist Proof(アーティストプルーフ)」となります。
どちらも同じ意味で、版画によってE.A.かA/Pのどちらかが使われます。

もともとは作家が資料として保存、版画作品としてのクオリティは通常のエディションナンバー作品と変わりません。
基本的に市場に出回ることがない作品のはずですが、最近では通常エディションナンバーとともに、版画の版元が管理・販売することが一般的なようです。


ちなみにエスタンプ版画というものがあります。
画家が描いた油彩画などの原画を元に、第三者が版画で制作したものです。
制作した画家本人もしくは遺族の了承を得た上で制作します。こちらもエディションナンバーはきちんと記載されます。

本来エスタンプとはフランス語で「版画」という意味ですが、日本では「複製」という意味で使われるようになり、現在は「エスタンプ=複製版画」と認知されています。
ただ、複製というものの、エスタンプ版画は原画を忠実に再現しているので他の印刷物とは別物です。

当店の版画/絵画のコレクションはこちらからご覧ください。

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