ヴィクトリアンへと誘うサロンスイート
サロンセットのご紹介
サロンはフランス語で応接間や客間、そして17~18世紀フランスで流行した貴婦人の社交的集会を意味します。女主人たちが宮廷や上流階級の邸宅の客間に文化人や学者そして作家を招き、知的な会話を楽しんだという歴史があります。
そんなサロンに置かれる家具は、貴婦人たちにふさわしく優雅なものでなければなりません。サロンで中心となるのはやはり貴婦人が寛ぐソファ。
こちらのイギリスで買付けてきた1870年代レイトヴィクトリアン期に制作されたサロンスイート。シェーズロング、ジェンツチェア、レディースチェアの3点が1つもかけることなく揃いで見つかった希少性の高いサロンセットです。
そしてさらにこのサロンスイートの希少性を高めるのが使用されている木材。こちらは実はマホガニーではなくローズウッドで作られています。木材から薔薇のような香りがすることから命名されたローズウッド。ローズウッドは大変価値が高く高級木材としてその地位を確立しました。
ローズウッドは非常に硬い木材であることから彫刻には高い技術を要するのですが、こちらはそんなローズウッドの硬い材質を忘れさせる流れるような曲線を描くアームとスプラット。フレームの流れに沿うようにして花そしてアカンサスの彫刻が施されています。
こちらはサロンセットの1つのジェンツチェア。ジェンツチェアとはボタン止めのスプーン型の背もたれを持ったアームチェア。張地は基本的には布張りになります。ジェンツチェアではなくグランドファザーズチェアと呼称されることもあります。対になるレディースチェアと比較すると一回り大きく作られているという点ももう1つの特徴です。
アームから脚部にかけての曲線美は見事と言わざるをえません。
そしてもう1つがレディースチェア。背面のデザインはジェンツチェアと同じですが、アームがなく、座面が低めに作られています。全体的な大きさもジェンツチェアと比較すると小ぶりです。当時の貴婦人たちの装いはドレス。ボリュームたっぷりのスカートでもゆったりと気軽に座ることができるようにアームが排除されています。
レディースチェアは別名グランドマザーズチェアとも呼ばれます。こちらのレディースチェアが揃いではなく単体で流通していることがありますが、その場合は単にナーシングチェアと呼ばれることが多いでしょう。
優雅なサロンの主役としてぜひこちらのサロンスイートとお迎えしてはいかがでしょうか。