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スタッキングブックケースとは

スタッキングブックケース(Stacking Bookcase)とは、積重ね式の本棚のこと。

個々が独立した箱になっており、こちらの写真はその箱が3段重なった状態となっています。1つ1つが独立性を持った構造ゆえ、この箱の1つを取り除くまたは足すことで高さをお好みにアレンジすることができます。

例えば、設置場所の上部にインターフォンがありこのままでは収まりきらないといった場合、3段のうち真ん中の1段を抜くことで、1段分の高さを下げることができます。

ちなみにこちらはヴェルニッケ社のもの。ヴェルニッケ社とは、1893年に設立されたキャビネットメーカー。このスタッキングタイプのブックケースを考案した会社です。

後にヴェルニッケ社はグローブ社と合併し、グローブ・ヴェルニッケ社となります。グローブ・ヴェルニッケ社はこのスタッキングブックケースの特許を取得し製造していました。アンティークのオフィス家具メーカーといえば、このグローブ・ヴェルニッケ社であると言われるほど名高い老舗メーカーです。

グローブ・ヴェルニッケ社のスタッキングブックケースにはオーク材が用いられていることが多いのですが、こちらはマホガニー製。赤みがかった深く艶やかな色味が高級感を演出する贅沢なオフィス家具です。

 こちらは幅と奥行が比較的狭い小ぶりのスタッキングブックケース。こちらは4段タイプでものを分けて収納したい時に活躍してくれます。

スタッキングブックケースの開け方は個性的。それぞれの段のガラス扉はフラップ式になっており、開ける際には下部についているつまみを手前上部へと持ち上げて、最後にブックケースの中に押し込みます。

中のものを整理しているときに扉が邪魔になることがないようにでしょうか。
よく考えられた構造をしています。

最後は5段のスタッキングブックケース。高さがあるため、一番上の段から下にかけてどんどん1つ1つの箱の高さがなだらかに低くなっていることがよくわかります。

開け方は上記2つのブックケースとは異なり観音開き。幅が広い分、フラップ式よりこちらの仕組みのほうが利便性が高いと言えます。

こちらはミンティー社製作のスタッキングブックケース。グローブ・ヴェルニッケ社と同様オフィス家具で有名なオックスフォードのキャビネットメーカーです。

スタッキングブックケースはアーツアンドクラフツの流れを汲んでいるため、彫刻や象嵌細工のような装飾はほとんどなく素材そのものを活かした造りになっています。

素材重視のシンプルなデザインの家具であるからこそ現代でも人気が高く、幅広く受け入れられているのではないでしょうか。

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