オークの時代
家具の歴史の中で「オークの時代」と呼ばれる時代があります。この時代オーク材を使ったものがほとんどでした。
形やスタイル、時代背景などによって、どのような様式があったのかをご紹介します。
ゴシック様式
15世紀から始まったのが「ゴシック様式」です。
ゴシック様式の代表的な建築物は、先日エリザベス女王の国葬が行われたイギリスのウェストミンスター寺院や、2019年4月に大規模火災が発生したフランスのノートルダム大聖堂などキリスト教の建築を中心に発展しました。
ゴシック様式の家具は建築と同じく、左右対称なデザインと幾何学模様やアーチ型が特徴です。
家具は富の象徴とされていた当時は、権力を強調するような重厚感のあるスタイルのものが流行していました。
チューダー様式
15世紀末~16世紀半ば、当時の王のヘンリー7世(ヘンリー・チューダー)の名前から名付けられました。
ゴシック様式の家具にチューダー家の家紋「チューダーローズ」の装飾から始まり、その後、メダリオンヘッドや連続アーチなどのゴシック様式のデザインが、家具の前面などに浅浮き彫りで彫られたのが「チューダー様式」の特徴です。
エリザベス様式
1558年~1603年にエリザベス女王が即位し、生活が安定、それまで住み込みだった使用人たちが、それぞれ家を持つようになり、生活スタイルに合わせた家具がたくさん作られるようになりました。
バルボスレッグが代表的なデザインと言えるでしょう。
バルボスレッグはテーブルの脚だけではなく、椅子や食器棚、ベッドの支柱などにも使用されました。
また根強い人気の伸長式テーブル「ドローリーフテーブル」がこの時代に誕生しました。
ジャコビアン様式
次に即位した王ジェームズ1世の時代には、装飾が更に華やかなものになっていきました。
「ジャコビアン」は王の名「ジェームズ」のヘブライ語「Jacob(ヤコブ)」から派生したものです。
ろくろで木を挽いて製作する挽きもの細工が新しいデザインとして流行。糸巻き(ボビン)を重ねたようなデザインのボビンターニングもこの時代に誕生しました。
16世紀~17世紀に掛けて、徐々に家具の前面だけでなく側面にも装飾を施すようになり「リネンフォールド」のようなデザインの彫りも流行しました。
このジャコビアン様式で「オークの時代」の締めくくりとなります。
いかがでしたでしょうか?
ゴシック様式の影響を受けたオークの時代の家具の特徴は・・・
➀オーク材
➁チューダーローズ
➂浅浮き彫り
➃挽きもの細工①オーク材
➄直線的で重厚感のあるデザイン
様式の特徴や時代背景が分かるとますますアンティーク家具って面白くなりますね。
また次の機会に「ウォールナットの時代」「マホガニーの時代」についてもご紹介していこう思います。